失業給付をもらう際に必要な求職活動実績。
どのような活動が求職活動実績と認められるか複数回にわたって紹介してきました。
(これまでの求職活動実績に関する記事は、本記事の「まとめ」章にあります)
今回は、これまでの記事では紹介しなかったものも含め、求職活動実績になるもの・ならないものをまとめます。
なお、こちらで紹介するのは、都内の某ハローワークで私が実際に失業保険を申請していた際(2016年)の情報です。ハローワークによって、認定の基準が異なることがあります。また、認定の基準が変更になる可能性もあります。実際に実施する際は、必ず所轄のハローワークにご自身で確認してからにしてください。
ハローワーク
求人検索パソコンで求人を検索した(もしくはプリントアウトした)
⇒ 求職活動実績にはなりません。
ハローワークには求人検索パソコンがあって、ハローワークカードを提示すると希望の条件を入力して求人を探すことができます。求人検索パソコンは、ハローワークの営業日であれば認定日以外でも利用することができます。ただし、求人検索パソコンで求人を検索したり、プリントアウトしたりしただけでは求職活動実績になりません。
以下の場合は求職活動実績になりません。
①単なるハローワーク、新聞、インターネット等での求人情報閲覧
(略)
『雇用保険受給資格者証のしおり』28年2月版 16ページより
求人検索パソコンで求人を検索後に、相談窓口で相談サービスを受けた
⇒ 求職活動になります。
ハローワークの相談窓口では、求人検索パソコンで探した求人の応募状況や補足情報などを教えてもらうことができます。相談窓口ではその他にも職種の絞り込みのアドバイスや応募書類の添削サービスなどを受けられます。
相談窓口で相談をすると雇用保険受給者証の裏面にハローワークが証明の印を押してくれます。
1日に2回ハローワークの相談窓口で相談サービスを受けた
⇒ 1日1回のみ求職活動実績になります。
1日に複数回ハローワークで職業相談した場合は、1日1回のみ求職活動実績として認められます。
ハローワークの職業講習会に参加した
⇒ 求職活動になります。
雇用保険の受給をスタートするにあたって、指定された日時に職業講習会に参加する必要があります。職業講習会では、約45分かけてハローワークの利用案内や求人の閲覧・職業相談の方法などを教わります。この職業講習会は求職活動実績となります。
自宅でハローワークインターネットサービスを利用した
⇒ 求職活動実績になりません。
ハローワークインターネットサービスを利用して、自宅でも求人情報検索をすることができます。ただし、これは求職活動実績とされない「単なる求人情報の閲覧」に当たります。
友人・知人の紹介
友人・知人に「いい仕事があったら紹介して下さい」と連絡した
⇒ 求職活動実績になりません。
単なる知人への紹介依頼は求職活動実績になりません。
以下の場合は求職活動実績になりません。
(略)
②単なる知人への紹介依頼
(略)
『雇用保険受給資格者証のしおり』28年2月版 16ページより
この文章、「単なる」位置に違和感がありますが、『知人への「単なる」紹介依頼』ということです。「仕事を紹介してくれた人は単なる知人なんかじゃない!私の恩人だ!」とかダメなので念のため(笑)
知人から紹介してもらった企業の面接を受けた
⇒ 求職活動実績になります。
面接は求職活動実績になります。面接に至る経緯は問いません。
民間職業紹介事業者
民間職業紹介事業者は、例えばリクナビなどといった、転職を支援してくれる事業者のことです。転職活動を考える際にまず登録する人も多いはずです。
インターネット登録した
⇒ 求職活動実績になりません。
インターネット等による民間職業紹介事業者への単なる登録は、求職活動実績になりません。
以下の場合は求職活動実績になりません。
(略)
③インターネット等による民間職業紹介事業者、労働者派遣事業者、地方公共団体の行う無料職業紹介への単なる登録
(略)
『雇用保険受給資格者証のしおり』28年2月版 16ページより
担当者と面談し希望条件などについて話し合った
⇒ 求職活動実績になります。
転職支援会社では、インターネット登録後に営業担当と会って希望条件などを相談することがあります。具体的な希望条件の相談や職業紹介があった場合は、求職活動実績になります。
マイページで求人を検索した
⇒ 求職活動実績になりません。
求人を検索しただけでは求職活動実績になりません。
以下の場合は求職活動実績になりません。
①単なるハローワーク、新聞、インターネット等での求人情報閲覧
(略)
『雇用保険受給資格者証のしおり』28年2月版 16ページより
マイページから求人にエントリーした
⇒ 求職活動実績になります。
民間職業紹介事業者を通した求人へのエントリー(応募)は、インターネットからであっても求職活動実績になります。
エントリーした求人の面接に行った
⇒ 求職活動実績になります。
応募と面接がそれぞれ求職活動実績にカウントされます。合否は関係ありません。
面接指導セミナーを受講した
⇒ 求職活動実績になります。
求職活動方法等を指導するセミナーに当たります。面接の指導以外にも履歴書の書き方などもこれにあたります。求職活動実績の証明として、セミナーの受講証明書が必要です。
労働者派遣事業者
労働者派遣事業者は、派遣会社と呼ばれているような会社のことです。リクルートスタッフィングやアデコなどが有名です。
人気の仕事は掲載期間がとても短い(数時間のことも)ので、「いい求人が見つかってから登録」ではなく事前に登録しておくのがベストです。
派遣会社に登録するならばまずはリクルートスタッフィングは必須です。
登録しないでも今掲載されているお仕事の情報を見ることができるので、まずは興味のある求人が掲載されているか確認してみましょう。
私も実際に登録・お仕事に応募しました。やはり大手なのですぐに応募したくなる条件のよい求人が多いです。リクルートスタッフィングは、来社せずにオンラインで入会を完了することができます。
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インターネット登録した
⇒ 求職活動実績になりません。
以下の場合は求職活動実績になりません。
(略)
③インターネット等による民間職業紹介事業者、労働者派遣事業者、地方公共団体の行う無料職業紹介への単なる登録
(略)
『雇用保険受給資格者証のしおり』28年2月版 16ページより
登録会でパソコンのスキルチェックを実施した
⇒ 求職活動実績になりません。
派遣会社に登録すると、登録会に参加することになりパソコンのタイピング速度を計測するなどのスキルチェックを受ける場合があります。ですが、これだけは求職活動実績とは認められません。
マイページで求人を検索した
⇒ 求職活動実績になりません。
以下の場合は求職活動実績になりません。
①単なるハローワーク、新聞、インターネット等での求人情報閲覧
(略)
『雇用保険受給資格者証のしおり』28年2月版 16ページより
マイページに掲載されている仕事の詳細を電話で確認した
⇒ 求職活動実績になります。
職業相談が対面でなくてはいけないとの記載は、雇用保険受給資格者のしおりには記載がありません。
ハローワークに確認すると、対面を想定しているが電話の場合も求職活動実績としてよいとの判断でした。ハローワークによって判断が分かれるところかもしれません。
ただし、「募集はいつ締め切られますか?」などといった仕事の内容に関係のない問い合わせは、求職活動実績になりません。
マイページからエントリーした
⇒ 求職活動実績になります。
これは、“求人への応募”にあたり、求職活動実績になります。事前に仕事の詳細を電話で確認しているかどうかなどは問いません。また、インターネットからの応募であっても求職活動実績になります。
エントリー後に派遣会社内の選考を通過したので、実際に応募した
⇒ エントリーを求職活動実績にカウントした場合は、求職活動実績になりません。
エントリーを“求人への応募”として求職活動実績にカウントしている場合は、その後の応募は同一の求人への応募であるため、改めて求職活動実績にカウントすることはできません。
エントリー後に応募のうえ、職場見学(顔合わせ)に行った
⇒ 求職活動実績になります。
職場見学(顔合わせ)は実質の面談なので、求職活動実績としてカウントしていいそうです。
派遣会社の実施するスキルアップ研修を受講した
⇒ 求職活動実績になりません。
派遣会社では、OAや英語などのスキルアップ研修を受講できる場合がありますが、これは直接的な求職活動方法を指導しているわけではないので、求職活動実績にならないそうです。
一方で、面接のコツを教わるセミナーなどは、「求職活動方法等を指導するセミナー」に当たるため、求職活動実績になります。
資格試験
転職活動に役立つように資格を身に着けようという方もいるでしょう。どのような資格試験が求職活動実績として認められるか見ていきます。
秘書の仕事を探していて、秘書検定を受験した
⇒ 求職活動実績になります。
求職活動実績となるものの一つに、再就職に資する(役立つ)各種国家試験、検定等の資格試験の受験という項目があります。
秘書の仕事で転職を希望していて秘書検定を受験する場合は再就職に資する(役立つ)と判断されるので、求職活動実績になります。
ただし、勉強をしただけでは求職活動実績にならず受験をしたことでカウントされるので、受験日が認定対象期間である必要があります。
一次試験の筆記試験を受け合格したので、二次試験である面接試験を受験した
⇒ 一次試験、二次試験ともにそれぞれ求職活動実績になります。
一次試験に通過した場合に二次試験の受験資格が与えられるタイプの資格試験では、それぞれを求職活動実績とすることができます。前述のとおり、受験日が認定対象期間である必要があります。
事務職で仕事を探しているが、とりあえず運転免許を取得した
⇒ 求職活動実績になりません。
直接業務に役立つかわからない資格試験の受験は、求職活動実績にカウントできません。
営業職で運転免許が必須な場合などは、再就職に資する(役立つ)と判断される可能性もあるので、ハローワークに相談してみてもいいかもしれません。
転職フェア
民間職業紹介事業者などが実施している転職フェアは、転職の参考になる知識が得られるよい機会です。参加すれば必ず求職活動実績になるのでしょうか。
転職フェアに参加し、講演を聞いた
⇒ 求職活動実績になりません。
講演タイプの聞くだけという転職フェアへの参加は、求職活動実績にならないそうです。
転職フェアに参加し、企業の個別ブースで相談をした
⇒ 求職活動実績になります。
ハローワーク曰く、原則として主催者に参加証明書を出してもらうようにしてくださいとのことです。
まとめ
さて、様々な求職活動実績になるもの・ならないものを見ていきました。
初めにお伝えしたように、ハローワークによって求職活動実績にカウントするかどうかの判断に違いがあることがあります。自身の実施した就職活動が実績として認められるかは、所轄のハローワークに確認してみてください。
基本的な事項として、単なる求人情報の閲覧は求職活動実績にならないので、積極的に興味のある企業を探す努力をし、面接を受けるのがよいでしょう。
<追記>
私が実際に認定された中で簡単と思った求職活動実績についてまとめました。
再就職の近道はたくさんの転職支援会社や派遣会社に登録して多くの求人に応募することかと思います。ひとつの転職支援会社・派遣会社にしか出してない案件もあるんです。私も何社も転職支援会社や派遣会社に登録してたくさん求人を見ることで、その会社でしか求人されていないとてもよい仕事を見つけることができました。
転職支援会社や派遣会社はまずは登録しておくことが大事です。インターネットでの登録の後に、キャリアアドバイザーとの面談や派遣登録会を経ないと応募ができないことも多いです。よい求人は応募があっという間に締め切られることもあります(特に派遣の優良案件は数時間で募集終了することも)。いい案件を見つけてから登録しようでは遅いですよ。
派遣会社に登録するならばまずはリクルートスタッフィングは必須です。
オンラインで入会が完了します。さらに、会員登録しないでも掲載されているお仕事の情報を見ることができるので、まずは興味のある求人が掲載されているか確認してみましょう。人気の仕事は掲載期間がとても短いです。
私もリクルートスタッフィングで実際に登録・お仕事に応募しました。やはり大手なのですぐに応募したくなる条件のよい求人が多いです。(「残業なしの簡単事務で月30万円!?」という求人もあって、楽な仕事を探していた私にはぴったりでした)
⇩簡単登録は公式サイトから。まずはどんなお仕事があるか見てみるのがおすすめです。