年会費永年無料の楽天カード。
出典:楽天カード
特典の1つに海外旅行傷害保険があります。
年会費無料であるにもかかわらず、傷害治療費用・疾病治療費用の保険金額ははそれぞれ200万円まで補償されます。一方で「200万円では少ないかもしれない」と不安に思うことも。
今回は、コールセンターに確認した年会費無料のままで楽天カードの保険金額を2倍にする方法を紹介します。
目次
楽天カードの補償内容
楽天カードの海外旅行傷害保険の補償内容をまとめました。
保険の種類 | 保険金額 | |
傷害死亡・後遺障害 | 2,000万円 | |
傷害治療費用 | 200万円 | |
疾病治療費用 | 200万円 | |
賠償責任 (免責なし) | 2,000万円 | |
携行品損害 (免責金額3,000円) | 20万円 | |
救援者費用 | 200万円 |
年会費が無料であるにもかかわらず、傷害治療費用・疾病治療費用がそれぞれ200万円まで補償されます。
保険の種類について詳しくは楽天カードの公式ホームページの海外旅行傷害保険のページから『楽天カード海外旅行傷害保険ご利用ガイド』を確認してください。
海外旅行傷害保険の注意点
楽天カードに限ったことではないですが、クレジットカード付帯の海外旅行傷害保険は、補償の適用外がある点や場合によっては補償内容が不十分になることもある点には注意が必要です。
例えば、死亡・後遺障害はあくまでケガが原因のものに限るので、疾病が原因の死亡・後遺障害に対しては保険金が支払われません。また、疾病治療費用も歯科疾病や妊娠・出産など対象外の項目もあります。
また、傷害治療費用や疾病治療費用は200万円で果たして足りるのかという疑問もあります。
ジェイアイ損害火災保険株式会社が発表している『海外の医療情報・事故データ(2016年度)』によると、治療・救援費用は保険金支払件数が一番多く全体の半数以上を占めます。
出典:ジェイアイ損害火災保険株式会社 海外の医療情報・事故データ(2016年度) トラブルデータ
そのうち、治療・救援費用の保険金支払いが300万円以上の高額医療費用事故は2016年度では70件発生しているようです。年齢層はシニア層(65歳以上)が半数弱を占めているとのことではありますが、いざという時に治療費用が200万円で足りるだろうかという不安も感じるところです。
無制限の補償を希望する人は、やはり任意保険に加入することも検討しなければいけません。
ただし、「無制限でなくてもいいからもう少し保険金額をアップできれば」という方には、クレジットカードの複数枚持ちで保険金額をアップさせるワザが有効です。
保険金額の合算
海外旅行傷害保険が付保されたクレジットカードを複数枚持っている場合の保険金額は次のように取扱われます。
死亡保険金・後遺障害保険金:それぞれのカードに付保されている死亡・後遺障害保険金額のうち最も高い額が支払われる。
死亡保険金・後遺障害保険金以外:それぞれのカードに付保されている保険金額を合算した額を上限として保険金が支払われる。
つまり、死亡保険金・後遺障害保険金以外(傷害治療費用や疾病治療費用)は、保有しているクレジットカードの保険金額の合算額まで補償されるということです。
例えば傷害治療費用の保険金額が300万円のクレジットカードA、200万円のクレジットカードB、100万円のクレジットカードCと3枚保有していた場合、A・B・Cを合算した600万円まで傷害治療費用の保険金額がアップすることになります。
年会費無料で補償を2倍にするワザ
この方法は楽天カードでも使うことができます。しかも、楽天カードでは年会費無料のままで海外旅行傷害保険の保険金額を2倍にできます。(ここからは家族がいる人のパターンを見ていきますが、家族カードを作成できる家族がいない人のパターンはこの記事の終盤で紹介します。)
それは、例えば夫婦の場合、「夫:本人会員、妻:家族会員(主契約者が夫)」、「妻:本人会員、夫:家族会員(主契約者が妻)」というように計4枚の楽天カードを持つことです。
コールセンターに確認したところ、楽天カードは本人カードを持っていたとしても、家族が契約する楽天カードの家族会員になることが可能とのことでした。
楽天カードは本人会員も家族会員も年会費無料なので、カードを計4枚作っても費用はかかりません。
そして、計4枚のカードを作った場合は、夫・妻それぞれの保険金額はこのようになります。
傷害死亡・後遺障害以外は、合算した金額を上限として補償されるので、補償の最高額が2倍になります。
なお、海外旅行傷害保険が付保されたクレジットカードを複数枚持っていても傷害死亡・後遺障害の保険金額は合算されないので、このパターンでも最高2,000万円です。
利用付帯
ここで注意が必要な点があります。
楽天カードの海外旅行傷害保険は、利用付帯(旅行代金などの支払いにカードを利用することで保険が有効になる)です。自動付帯(カードを契約しているだけで保険が有効になる)ではないので、旅行前にきちんと利用付帯の条件を満たすことが必要になります。
楽天カードの利用付帯の条件を満たすには、次の①か②のいずれかをクリアします。
①日本を出国する以前に自宅から出発空港までの交通費(航空機、電車、船舶、バス、タクシーなど)を楽天カードで支払っていること
②日本を出国する以前に海外旅行代金(パック旅行代金など)を楽天カードで支払っていること
金額がいくら以上の利用でなければいけないといった決まりはないので、例えば①の自宅から出発空港までの交通費の場合は小さい金額でもOKです。
②の海外旅行代金は、現地のホテル代のみだけでは適応にならずパック旅行料金などの支払いでなくてはいけません。
複数の契約で利用付帯を適応する
このように聞くと、「夫:本人会員、妻:家族会員(主契約者が夫)」、「妻:本人会員、夫:家族会員(主契約者が妻)」というように計4枚の楽天カードを持った場合に「4枚のカードすべてで利用付帯の条件を満たすのが難しいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、利用付帯の条件を理解していれば難しくはありません。
①交通費とパック旅行代金をそれぞれのカードで支払う
4枚のカードすべてで利用付帯を満たす一番わかりやすい方法は、交通費とパック旅行代金をそれぞれの本人カードで支払う方法です。
「夫:本人会員、妻:家族会員(主契約者が夫)」の本人カードで、自宅から出発空港までの交通費(2人分)を支払う
「妻:本人会員、夫:家族会員(主契約者が妻)」の本人カードで、パック旅行代金(2人分)を支払う
というプロセスで4枚すべての利用付帯をクリアできます。
本人カードで支払うのが一番わかりやすいですが、家族カードで2人分まとめて支払っても本人カードと家族カードでそれぞれ1人分ずつ支払っても適用されます。
②交通費を2行程に分けてそれぞれのカードで支払う
中にはパック旅行代金は金額が大きいので普段利用しているポイント還元率が高いカードで支払いたいという方もいるでしょう。私は大きい決済はポイント還元率が1.2%と高いリクルートカードで支払いをしています。
そういった場合には、楽天カードで空港までの交通費だけを支払ったとしても、海外旅行傷害保険の利用付帯の条件を満たせる方法があります。
例えば
最寄り駅 ⇒ (山手線) ⇒ 乗換駅 ⇒ (成田エクスプレス) ⇒ 空港
という行程の場合、
「夫:本人会員、妻:家族会員(主契約者が夫)」の本人カードで、山手線の運賃(2人分)を支払う
「妻:本人会員、夫:家族会員(主契約者が妻)」の本人カードで、成田エクスプレスの運賃(2人分)を支払う
というプロセスで4枚すべての利用付帯をクリアできます。
本人カードで支払うのが一番わかりやすいですが、家族カードで2人分まとめて支払っても本人カードと家族カードでそれぞれ1人分ずつ支払っても適用されます。
「途中の乗り換え駅までの交通費だけでもいいの?」と心配になるかもしれませんが、移動手段の一部のみ楽天カードで決済した場合も保険適応の対象です。
また、「山手線の切符代金はクレジットカード払いできるの?」という疑問があるかもしれません。
JR東日本のコールセンターに確認したところ、JR東日本では次の2通りの方法で普通切符をクレジットカード払いできるそうです。
JR東日本で普通切符をクレジットカードで購入する方法
・みどりの窓口
・指定席券売機(紫色の券売機)
指定席券売機というのは、駅にある紫色の券売機のことです。
JR東日本以外は未確認ですので、ご自身で利用する鉄道会社に確認してみてください。
この方法を利用すれば、家族3人のパターンでも1枚目:山手線、2枚目:成田エクスプレス、3枚目:パック旅行代金とすることで、3契約とも利用条件を満たすことができて、年会費は無料のまま保険金額は3倍です。
楽天プレミアムカードより補償額が大きくなる項目も
海外旅行傷害保険が付保されている別の楽天カードとして、年会費が10,800円(税込)の楽天プレミアムカードがあります。楽天プレミアムカードには、様々な特典がついてくるのですが、海外旅行傷害保険も付保されています。年会費が発生するだけあって、楽天カードと違い自動付帯であったり保険金額がより大きかったり補償が手厚くなっています。
楽天プレミアムカードと先に紹介した楽天カードの2枚持ち(本人カード・家族カード)とでは、どちらが補償が手厚くなるのか比較してみました。
楽天プレミアムカード | 楽天カード2枚持ち (本人カード・家族カード) | ||
自動付帯 | 利用付帯 | ||
傷害死亡・後遺障害 | 5,000万円 自動付帯 4,000万円 利用付帯 1,000万円 | 2,000万円 | |
傷害治療費用 | 300万円 | 400万円 | |
疾病治療費用 | 300万円 | 400万円 | |
賠償責任 (免責なし) | 3,000万円 | 4,000万円 | |
携行品損害 (免責金額3,000円) | 50万円 自動付帯 30万円 利用付帯 20万円 | 40万円 | |
救援者費用 | 200万円 | 400万円 |
傷害死亡・後遺障害の保険金額は楽天プレミアムカードがより大きいですが、実際に発生する件数が少ないトラブルではあるので、そこまで重視しなくてもよいかなという感はあります。やはり、ほしい補償は傷害治療費用や疾病治療費用です。
楽天カードの2枚持ちをした場合、傷害治療費用・疾病治療費用・賠償責任・救援者費用については、楽天プレミアムカードより楽天カード2枚持ちのほうが補償金額が大きくなります。
一方で、楽天プレミアムカードの場合は補償が自動付帯であるため、カードを持っているだけで保険が適用になる手軽さはあります。
もちろん、楽天プレミアムカードの2枚持ち(本人カード・家族カード)も可能ではあります。その場合は、本人カードに10,800円(税込)、家族カードに540円(税込)の年会費がそれぞれ発生します。
家族カードが作れない場合はエポスカードとの2枚持ち
「家族カードを作れる家族がいない」という方は、楽天カードとエポスカードの2枚持ちがおすすめです。
楽天カードとエポスカードの海外旅行保険の補償内容と保険金額、また2枚持ちした場合の保険金額を比較してみます。
楽天 カード | エポス カード | 楽天カード・エポスカード2枚持ち | ||
年会費 | 本人カード | 永年無料 | 永年無料 | ― |
家族カード | 永年無料 | 家族カードはなし | ||
補償対象 | 本人会員・家族会員 | 本人会員 | ||
付帯条件 | 利用付帯 | 自動付帯 | ||
傷害死亡・後遺障害 | 2,000万円 | 500万円 | 2,000万円 | |
傷害治療費用 | 200万円 | 400万円 | ||
疾病治療費用 | 200万円 | 270万円 | 470万円 | |
賠償責任 (免責なし) | 2,000万円 | 4,000万円 | ||
携行品損害 (免責金額3,000円) | 20万円 | 40万円 | ||
救援者費用 | 200万円 | 100万円 | 300万円 |
海外旅行傷害保険が付保された複数枚のクレジットカードを契約している場合、傷害死亡・後遺障害以外は合算した金額を上限として補償されるので、補償の最高額を大きくすることができます。
エポスカードは海外旅行傷害保険が自動付帯なので、2枚持ちした場合も楽天カードの利用付帯のみ条件を満たせば保険が適用になるので手間いらずです。
もちろん、家族カードを作れる家族がいるけど楽天カードを2枚持つより違う種類のクレジットカードを持ちたいという方にも、楽天カードとエポスカードの2枚持ちはおすすめです。

入会キャンペーンでメリット大!
楽天カードは入会キャンペーンが実施されているので、例えば夫と妻をそれぞれ主契約者として計4枚楽天カードを作れば入会キャンペーンが2倍分もらえます。(主契約者・家族会員に付与される合計)
(入会キャンペーンが5,000円相当の場合。家族カードの入会キャンペーンはすでに本人カードを持っていた場合で2,000ポイント、同時入会では1,200ポイント。詳細は公式ホームページ)
楽天カードの入会キャンペーンはざっくり次のとおりです。
本人カード | 家族カード | |
入会(※1) | 2,000P | 200P |
利用 | 3,000P (※2) | 1,800P (※3) |
合計 | 5,000P | 2,000P |
※1:「楽天e-NAVI」で受け取り申請が必要
※2:申し込み日の翌月末までにカードショッピングを1回以上利用(1円以上いくらでもOK)
※3:家族カード入会日の翌月末までに家族カードでカードショッピングを10,000円以上利用
参考:楽天カード 家族カード入会企画
本人カードの利用ポイントは楽天カードを1回以上ショッピングで利用することが条件ですが、1円以上であればいくらの利用であってもOKと他のクレジットカードと比較してかなり条件が緩くポイントがもらいやすいです。
もらえるポイントが期間限定で利用期限が短いのですが、楽天市場で生活必需品の購入に使えばOKです。使い道に迷ったら米、飲料などで消費することができます。
入会キャンペーンの詳しい情報や注意点は、公式ホームページから確認してください。
まとめ
年会費永年無料の楽天カード。家族カードも年会費無料である特性を利用して、楽天カードを複数枚作ることで海外旅行傷害保険の保険金額を2倍にする方法を紹介しました。
なお、今回紹介した方法は、楽天カードのコールセンター及び楽天カード保険デスク (三井住友海上)に確認して正しいことを確認している内容ではありますが、そのサービス内容が変更になる可能性もあります。実際に海外旅行に行く前にご自身で最新情報を確認してください。
また、アメリカなどの医療費が高い国ではたとえ保険金額が2倍になっても、いざという時はそれを超える医療費がかかる可能性はあります。医療費が高い国への渡航では併せて任意保険も契約するなどの検討が必要でしょう。
楽天カードは年会費無料で使わなくても損をする心配がないので、作っておくことでいざという時に役立ちます。
楽天カードもその他の特典も充実していて、特に楽天市場でショッピングをする人は作らないと確実にもったいないです。